海を渡った日本の木工芸 世界一の寄木細工展

2017.05.11

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かまぼこ博物館 寄木展示

新緑の季節。過ごしやすい気候に、晴れた日はちょっと気軽な小旅行に出かけたくなる季節ですね。
毎度さまざまな企画展示でご好評いただいております、かまぼこ博物館3階・企画展示室。今回は、大変貴重な世界一の寄木細工展をお届けいたします。

その歴史はシルクロードから

かまぼこ博物館 寄木展示かまぼこ博物館 寄木展示

“寄木細工”直接手にとってご覧になったことはありますか?小さなパーツが巧みに組み合わされ、さらに素材の木目や色味などまで計算され尽くしたまさに伝統の工芸品です。
日本で最も古い寄木細工は、奈良の正倉院に遺存されているそうです。残っているもののほとんどは西アジアで作られ、シルクロードを伝い唐の都、長安(現在の西安)より日本へ運ばれたものです。およそ4000年も前から寄木細工は存在し、海を渡ってこの日本にも届いていたのですね。歴史の深さに驚かされます。
箱根の寄木細工作りは江戸時代後期で、今から約190年前に駿府(静岡市の中心部)より伝わりました。駿府の寄木細工は漆仕上げした美術工芸品と称す美しい箱やたばこ盆、箪笥などで、旅人や大名、富裕な人々がこれを買い求めました。駿府の寄木細工作りは大火事などの影響でその後衰退してしまいますが、箱根の寄木細工作りは畑宿をはじめ湯本、宮ノ下、そして小田原へと広まり残りました。中でも畑宿は東海道に沿い小田原宿と箱根宿の間としてにぎわい、一番の産地として現在にいたります。

時代が動いた その時に

かまぼこ博物館 寄木展示かまぼこ博物館 寄木展示

日本の長い歴史の中で最も大きな節目といえる瞬間にも、寄木細工は関わっていました。
長く続いた江戸時代が終わり、いよいよ日本が世界へ開けた国へと変わっていく節目。安政元年(1854年)に再来日したペリーの率いる艦隊は、日米和親条約に次いで6月20日に下田追加条約を調印して帰国しました。この時幕府は、当時のアメリカ大統領フィルモア大統領からの贈り物の返礼に、陶磁器や漆器、その他工芸品を贈っていました。その中に、寄木細工で作られた四方引出箱、さらに畑宿で作られたと言われる高さ2尺(60cm)で市松模様の寄木箪笥などが含まれていたのです。日本の開国に寄木細工が一役かっていたなんて!
その長い歴史を紐解いてみると、深く日本の歴史に関わるほどの伝統工芸品であることがわかります。

他では見られない貴重な作品の数々

かまぼこ博物館 寄木展示かまぼこ博物館 寄木展示

今回の展示では、美術工芸品に精通されており、さらに寄木細工研究会の会長をされている金子皓彦氏のコレクション10万点の中から、選び抜かれた貴重な作品ばかりを見ていただけます。
明治20~30年頃に箱根で作られた“ライティング・ビューロー”は、全幅241cm、高さ181cm、日本最大級の寄木細工作品です。なかなか見られない貴重な寄木細工、ぜひこの機会にご覧になってください。

詳しいご案内はこちら

鈴廣かまぼこ博物館3階では、このようにおもしろいテーマを元に企画展示する場を設けております。今後もさまざまな企画を考えてまいります。

また、同じかまぼこ博物館3階では、展示のほかにもさまざまな体験が楽しめる『体験プログラム』を開催しております。
自分の手でかまぼこを作り上げる『かまぼこつくり体験』、かまぼこの栄養やおいしさの秘密を知る広場もあります。ご家族、お友達同士で楽しめるかまぼこ博物館、ぜひお誘いあわせの上お越しください!

『海を渡った日本の木工芸 世界一の寄木細工展』展示予定:~6/11(日)まで

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